“吸い玉”(カッピング)について
スポーツ選手や、大相撲の力士が背中や肩などに、赤く丸い痕をつけている事がありますが、あの痕が吸い玉の痕です。
いわゆる、エステサロンなどで行われているカッピングと同じものです。
呼び名が違いますが、やっていることの基本的な部分は同じです。
ガラスで出来た丸い玉の中を、真空に近い状態にして皮膚の表面に吸い付け、皮膚表面に近いところの血液を吸い寄せます。
体内の汚れた血をお血(おけつ、“お”はやまいだれに“於”と書きます)と呼びますが、それを吸い出す施術法です。
ガラスで出来た丸い玉の中に一瞬火を入れ、真空に近づけた状態で皮膚に吸い付けています。
バキューム装置で中の空気を抜気して吸い付ける方法もあります。
電動式バキューム装置や手動式真空ポンプなど、器具が複雑な形状のものは消毒・殺菌が行いづらく、使いまわしや不衛生になりやすいです。
患者さんのお肌に対して直接行う施術ですので、当院では使用器具を消毒しやすいよう、バキューム装置を使用しない方式を採用しております。
(施術に使用した吸い玉は、本来は施術後、その都度消毒するべきであると当院では考えております)
“吸い玉”を着けられている間は、皮膚の表面を少し強く引っ張られているような感じがします。
お血が沢山溜まっていると、“吸い玉”を外した時にこの様な痕が残ります。
この痕は最初は大体鮮やかな緋色を呈していますが、日が経つにつれて徐々に暗赤色に変わり、やがて退色して黄色くなり、消えていきます。
最後にはこの痕は消えてしまい、いつまでも残る事は有りません。
この痕は疲れが非常に溜まっていたり、長期に渡って不健康・不健全な生活を続けていたりすると、消えるのに暫く時間がかかります。
“吸い玉”の痕は、長くかかる方では、10日間くらい消えない場合もあります。
しばらく続けて施術していると、現代科学的には不思議なことに、次第に痕が残らなくなってきます。
(東洋医学的には血の汚れが無くなっていくからなので、なんの不思議もないのですが……)
痕が濃く残る方は、疲れやストレス、血液の汚れがひどい場合が多いようです。
また、なかなか吸い玉の痕が消えない方は、お体の状態を拝見すると基礎体力や自己治癒力が低下していたり、血液の循環が悪くなっていたりすることが多く、食事や睡眠のとり方(内容と習慣)など、日常生活の仕方そのものに問題がある傾向が強いように感じます。
「なかなか痕が完全に消えないんだけど、どうしたらいいの?」
「痕が残って困ってる!」
「何度吸い玉をやっても、どうせまたすぐに、疲れやむくみが戻っちゃうんだよね」
……などというお話を各所で読んだり、聞いたり致します。
正直なところを言うと、なかなか痕が消えないのは、上記した通りです。
ご本人の体力や自己治癒力が低下していたり、そもそも日常生活の仕方に問題があって、身体が健康に戻れないからなのです。
まずは何らかの施術をして体内の状態をニュートラルな状態に戻し、その後に(正しい方法で)休養を取ることで回復し、得られるのが本来の健康だと思います。
取り敢えず今の疲労感を解消するために吸い玉施術を繰り返し、その場しのぎを続けていると、結局ご本人の健康を害することになりかねません。
その点をいま一度、考え直していただければ、と思います。
理想論だけでは解決しないことも沢山あります。
厳しい現実と難しい現状を、どれだけ好ましい状態に近づけられるか、その方法論の一つとして当院があります。
当院にご相談頂けましたら、施術や自宅で行える回復法など様々な方法をご説明できますので、健康回復へのお手伝いをさせて頂けるかと思います。
どうぞ、お気軽にお尋ねください。
また、「来週温泉に行くから、痕が残ると困るんだけどなぁ」というような方は、あらかじめご相談戴ければ、当院では施術状況を勘案した上で、対処させて戴きます。